本記事は、WordPressを利用してWebサイトを作られた事業者様、制作会社様に向けた記事となっております。
目次
WordPressってセキュリティに問題がありますか?
「サイトを作る。」となった時、最初に思いつくのがWordPressとなる方が大半でしょう。WordPressは、個人のブログから、国や企業の公式サイトに至るまで多種多様なサイトで使用されている世界で最も有名なCMSです。ユーザー数が他のCMSと比較して圧倒的に多いため、攻撃の対象となりやすいとされています。さらに、公開されているソースコードを見れば、そのサイトがWordPressで運用されていることが直ぐにわかってしまいます。無料で使えるオープンソースだからこそ、WordPressのプログラム構造も容易に把握できてしまい、セキュリティの弱点が見つけ出されやすい状況となっています。
簡単にまとめると、WordPressのセキュリティが弱いとされる理由は以下の三つが主な要因となっています。
・多くの利用者がいるため狙われやすいCMSであること。
・操作が容易なため初心者ユーザーが多く、セキュリティ対策が軽視されやすい。
・無料のオープンソースであるためプログラム構造が判明しやすく、セキュリティの隙間が発見されやすい。
これが、WordPressのセキュリティが弱いと言われる主な理由です。
WordPressにどのようにセキュリティリスクが発生するのか?
WordPressはオープンソースのために誰でも自由にそのパターンを確認し、共同で開発していけるように作られています。他の有料CMSとは異なり、全てが公開状態であるため、セキュリティの弱点も容易に確認が可能です。 WordPressは質の高いエンジニアたちによって、その弱点を指摘し、改善するための意見が求められています。一方で、悪意を持った一部のエンジニアがこれを攻撃の手段に利用し、問題を引き起こすこともあります。
WordPressは高機能なCMSを無料で利用できるという大変魅力的なCMSです。しかしながら、全てのコードが公開されているため必ずしも完全ではなく、常に何らかの脆弱性が存在するという事実を認識しておく必要があります。
WordPress運用時に発生する可能性のあるセキュリティリスク
以下の2つが、WordPressを運用する際に発生する可能性のある主要なセキュリティリスクとなります。
・情報の漏洩
情報の改ざんも深刻な問題ですが、WordPressサイトに掲載されている個人情報が流出することは更に重大なリスクと言えます。情報流出の責任はサイト運営者が負うこととなり、大規模な問題に発展する可能性があります。特に個人情報を管理している会員制サイトなどでは、十分なセキュリティ対策が必要となります。
・情報の改ざん
WordPressで作成したホームページが不正侵入を受け、著しく情報が変更されてしまう可能性があります。不意に内容が書き換えられ、来訪者が適切にサイトを閲覧できないなどのリスクがありますので、充分な注意が必要です。
WordPressのセキュリティ強化する方法はどんなものがあるの?
WordPressのセキュリティを高めるための方法は以下のようなものがあります。
1.プラグインの利用 信頼性のあるセキュリティプラグイン(Wordfence Security、iThemes Securityなど)を使用します。
2.最新バージョンの維持: WordPress本体、テーマ、プラグインを常に最新バージョンにアップデートします。
3.強固なパスワードの設定: 管理者パスワードは複雑なものを設定し、定期的に変更します。
4.ファイルパーミッションの適切な設定: 必要な権限だけを与え、不必要な権限は制限します。
5.データベース接頭辞の変更: デフォルトの「wp_」から変更し、SQLインジェクション攻撃から身を守ります。
6.管理者ユーザー名の変更: デフォルトの「admin」から他の名前に変更します。
7.双方向認証の導入: パスワードだけでなく、電話番号やメールによる認証を行います。
8.不要なプラグインやテーマの削除: 使用していないプラグインやテーマは削除し、セキュリティリスクを最小限に抑えます。
9.SSLの導入: HTTPSを使用し、通信の暗号化を行います。
10.バックアップの定期実施: サイトのデータを定期的にバックアップし、万が一の際の対策とします。
11.脆弱性の診断:作成されたサイトに発生する脆弱性を定期的に診断し、発見されたリスクを修正し悪意のあるユーザーがサイトに攻撃できないようにします。
WordPressのセキュリティを高めるおすすめプラグインはどんなものがありますか?
先ほどの項目で記載したWordPressのセキュリティを強化するためには様々なプラグインが存在しますが、評価が高く信頼性のあるものとしては以下のようなものがあります。
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Wordfence Security
これはWordPressサイトのセキュリティを担保する最も人気のあるプラグインの一つで、マルウェアスキャン、リアルタイムの脅威防御、ログインセキュリティなどの機能を提供しています。
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iThemes Security
これも非常に人気のある安全対策プラグインで、30以上のセキュリティ対策機能を有しています。例えば、二段階認証、パスワードのセキュリティ強化、マルウェアスキャンなどが可能です。
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Sucuri Security
このプラグインはWordPressのセキュリティチェックとマルウェアクリーニングに特化しています。また、セキュリティインシデントの後にサイトを修復できる機能も持っています。
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All In One WP Security & Firewall
全面的なセキュリティとファイアウォールの機能を提供し、ユーザーアカウントの保護、ユーザーログインの保護、データベースのセキュリティなど、多岐にわたる保護機能を持っています。
これらのプラグインを活用することでWordPressサイトのセキュリティをより高めることが可能です。ただし、プラグインだけに頼るのではなく、定期的なアップデートやパスワードの管理など、基本的なセキュリティ対策の脆弱性診断を忘れず行うことが大切です。
WordPressのセキュリティ強化の方法としてWebアプリケーションの脆弱性診断は有効ですか?
WordPressのセキュリティ強化と言えば前に挙げた1から10の内容を思い出す方が非常に多いです。
しかし、Webアプリケーションの脆弱性診断は非常に有効です。この診断により、WordPressサイトに存在する可能性のあるセキュリティの脆弱性や不足が明らかになります。そして、発見した問題点を改善し、修正することでサイトのセキュリティレベルを高めることが可能になります。
また、WordPressは機能を拡張するために様々なプラグインが用いられますが、その一方で不適切なコードの記述や更新の怠りにより、脆弱性が生じることがあります。したがって、定期的な脆弱性診断により、これらのリスクを早期に発見し、対処することが推奨されています。
診断は専門的な知識を必要とするため、専門的なセキュリティ会社に依頼したり、信頼性のあるセキュリティ診断ツールを使用すると良いでしょう。診断とその後の対策は定期的に行うことで、新たな脆弱性の発生を早期に対処し、WordPressサイトをより安全に運用することができます。
Webアプリケーションの脆弱性診断で手動診断と診断ツールを使用する場合のメリットとデメリットを教えてください。
手動診断と診断ツールの使用、両方にはそれぞれメリットとデメリットがあります。
それぞれの主要な項目だけですが見ていきましょう。
手動診断
・メリット
– 診断者の知識と経験により、自動化ツールが見落とす可能性のある脆弱性も発見できる。
– 特定の状況や脅威に対応したカスタム診断が可能。
・デメリット
– 診断者のスキルや知識に大きく依存し、結果の品質が変動する。
– 時間とコストがかかる。また、人力に限界があるため大規模なサイトの診断は困難。
診断ツールの使用
・メリット
– 定量的で一貫性のある結果を迅速に提供できる。
– 大規模なサイトでも自動化されたスキャンが可能。
– 人間が見落としがちな一部の脆弱性を発見できる。
・デメリット
– 自動化ツールは一部の特定の脆弱性を見落とす可能性がある。
– 結果の解釈や対策策定には専門家の分析が必要。
上記のように、それぞれの方法は一長一短です。最良の結果を得るためには、手動診断と自動診断ツールを組み合わせることをおすすめします。それにより、各方法のメリットを最大限利用しながら、デメリットを補完することが可能になります。
まとめ
安価で高機能なCMSであるWord Pressには便利だからこそ前述したような多くのリスクを抱えています。
一度のトラブルで長年積み重ねてきた会社の信用や利益が吹き飛んでしまうこともありますので「たかがWebサイト」と思わず万全な対策を実施するようにお薦めしております。
先日、secuasを導入いただきました企業様のインタビューでもセキュリティに対する意識についてご担当者様に思いを語っていただいておりますので是非ご覧ください。
Word Pressを利用してサイトを制作されている皆様はぜひこの機会に無料でサイトのリスクを診断できるsecuasを試して、自社に潜むリスクを把握してみてください。